たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

あの海


なんだか海に行きたくなったけど
目を閉じて
今まで知っている
たくさんの海を思い出すことで折り合いをつけ
大事なことがあることに気づいたからには
それを実行する計画を立てることを優先した。

ちょうど
今読んいる小説の主人公が
お盆に
海が近くにあるおばあちゃん家に行って
あの
ジリジリする
夏の海を満喫しているシーンになったおかげで
イメージの中
私も夏の海を体感する。

新たな展開を予感させる物語の日付は8月12日
というシンクロ。

海に行かなかった
今と
これからの私への
夏からの贈り物だと思った。

カバンに入れていたペットボトルを取り出し
テーブルに置いたら
赤い液体の中の小さな泡が
いくつもいくつも
ぷくぷくと揺れながら浮かんでいく。

あっ
海みたい。