たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『後悔は先に立たないが役に立つかもしれない』

何の雑誌だったか忘れたけど 「後悔は先に立たないが役に立つかもしれない」は 桑田佳祐のコラムのタイトルだった。 私にとっては ソクラテスや孔子やお釈迦様にならぶ 名言のひとつだ。 知らない ということと どう向き合うか。 そういう技量をためされる場…

黄昏泣きとピアス 後編

久々に着た お気に入りのワンピース 。 それに似合うピアスを 選ぶ朝。 鏡越し 左の耳たぶに並んだふたつの点。 もらったピアスを片方なくして ピアスはもう片耳しかしないぞ なんて そう思ってたのに。 季節は過ぎる。 氷で冷やして 針を焼いて いっそ ひと…

黄昏泣きとピアス 前編

大人になるってなんだろう なんて 中学生みたいなことを考えたりしている。 それはきっと 夕方に聴いた音楽のせい。 ここんとこ やたらざわめいちゃう。 黄昏泣きかよ。

どこでもドアの向こう側

電話の向こうの彼女は 多分酔ってた。 酔っぱらいの話は だいたいいつも長くて だいたいいつも とりとめがない。 そしてなんだか いつも切ない。 楽しみにしてたテレビドラマをひとつ見送って ご無沙汰の その間 彼女の身に起こった現実のドラマを ただひた…

プルート

夜明け前の空に 冬の到来を告げるオリオンが光っていた。 季節は 決してうしろを振り向かず 次の季節にバトンタッチする。 小学生のころ 毎日のように通ったプラネタリウム。 神話はもう 忘れてしまったな。 出崎海岸に寝転んで 降る星たちを数えていたのは …

『メザスヒカリノサキ二アルモノ若しくはパラダイス』

夏の余韻も残さず肌寒くなった朝は 台風一過の青空。 君のうたう声だけで満たされる部屋。 ソファの横には 張りっぱなしの弦のせいで 少しネックが反ってしまったギター。 机の上の 満中陰志のカタログ。 ベランダで風に揺れてキラキラ光るのは ちぎれてしま…