たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

太陽が燃えている

 

週のうち数日は

朝4時台に起きて5時台に出かける。

 

朝の4時〜5時台というのは不思議な時間帯で

季節によって

空には

昨日がまだ続いているような暗闇と星が残っているし

また季節によっては

ハロー!グッドモーニング!

なんて声が聞こえてきそうだったりする。

ちょうど今時分は

その狭間の

夜だか朝だか分からない時間帯を過ごしながら

東に車を走らせると

一瞬

百間川の向こうの山越しに昇る朝日に出会える。

 

その一瞬

今朝の太陽は燃えていた。

 

マグマのように血のように赤く大きく

圧倒的な存在感と生命力を放ち

艶かしく

メラメラと揺らめいていた。

 

思わず

声を上げずにはいられないほどに。

 

以前

「忘れられない美しい記憶は宝物だ。

 それがあるだけで人生は豊かになる。」

ある人から教えられたことがある。

 

まさに。

 

今朝のあの太陽の赤も

ほかのいくつかの

忘れられないシーンと同じように

きっと

時々思い出しては

うっとりしたりするんだろう。

 

少しだけ

モヤモヤした今日の出来事を帳消しにして余りある

あの太陽。

 

あと数週間だけの

この季節からのプレゼント。

夏はもう少し先。