たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

光の輪郭

 

もしもタイムマシンがあったら。

 

もしもタイムマシンがあったら

あの頃の自分と話をしてみたいと思う。

 

自分が

一番自分であったあの頃。

 

昨日

その当時よく一緒に行動していて

いろんな刺激を与えてくれた人が

今年の初めに亡くなっていたことを知った。

 

最後に会ったのはいつだったっけか。

 

確か

久しぶりに会ったツレと一緒にいて

駅前で

弾き語りをしている若者にリクエストしたりなんかしながら

自動販売機で

あんまり買うこともなくなっていた缶コーヒーを

昔みたいに買ってたとき

もう

呼ぶ人も少なくなった名前を不意に呼ばれて振り返ると

その人が笑って立っていた。

 

3人が揃うのはものすごくレアで

いやあ久しぶり

すごい偶然

こんなところで会うなんてね

元気にしてんの

なんて話しながら

昔とは同じでいられないことをみんな分かっていて

じゃあまたいつかね

って感じで

軽く別れた。

 

それが多分

最後。

 

そのいつかは

永遠になくなってしまったんだな。

  

その人は

出会った時から亡くなるまで

ずっと

その人の道を歩いていた。

 

どんな気持ちで

その道を歩いていたんだろう。

 

その人の死を

昨日知った

そのことの意味を考えている。

  

リンダ、うたってる?

あの笑顔で

そう問いかけられている気がする。