たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

色めがね

 

「宇宙で一番明るい色、それは白」 

 

たしか

そんな一文だったような気がする。

 

小学生の頃

学校の図書室にあったその本を読んで

ものすごく驚いた。

 

世界がぐわんとなった感じ。

 

小学校低学年くらいの私の色の世界は

12色の色鉛筆や絵の具がせいぜいだったので

自分の知っている世界の中で明るい色といえば

光る月や星や

燃えて見える太陽で

それは赤や黄色だった。

 

それがまさか「白」だなんて。

 

多分こどもの私は

白=何も無い色

という認識だったのかもしれない。

 

あの時の衝撃は

ほんとうにすごかった。

 

色の不思議。

 

日々いろんな出来事があるけれど

同じ青を見ても

自分以外の人には

それがまったく同じ青に見えていないのと同じように

出来事自体は無色透明で

うれしい、という心の色も

悲しい、という心の色も

その出来事をどんな色として認識するのかは

実は

全部自分自身なんだそうだ。

 

12色以外にも色があると知った今は

外側で起こる出来事に浸食されることなく

自分の心の世界を彩りたい。