たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

『生きるとは、自分の物語をつくること』

 

最近

「物語」という言葉を

よく見聞きする。

 

自分が意識しているからかもしれないけれど。

 

一時期

臨床心理学者の河合隼雄さんの本をよく読んでいて

河合さんは

「魂」や「物語」というのは

人が生きていくうえで

とても大切だと

色々な本に繰り返し書いてあった。

 

今思えば

河合さんの本をよく読んでいた頃は

あんな日々は二度とくり返せない

と思う程の

仕事と他人にまみれる中で

バランスを保つ為の「何か」を

探している最中だった気がする。

 

あの頃からずっと頭の片隅には

「物語」

というキーワードを

そっと置いてある。

 

最近は

半分、青い。」の秋風先生が

人生を物語に置き換え

染み入る言葉で語りかけてくれる。

 

そのおかげで

今またあらためて

河合さんの本を読みたくなった。

 

ちょっと

確認。

本のいいところ。

 

先日

外出時の時間潰しに持って出たのは

「生きるとは、自分の物語をつくること」

という

河合さんと小川洋子さんの対談集。

 

人は

生きていくために

自分の物語を自分で発見し

そして

自分の物語を生きる。

 

「自分で」

ということが

とても大切なんだと思う。

 

他人に与えられた物語では

人は生きられない。

 

そして

「他人」もまた

その人の「物語」を生きている。

 

ドラマや映画や小説に求めるものは

自己逃避なのか

自己投影なのか。

 

自己矛盾や

内面の混沌を抱えながらも

折り合いをつけて

物語を紡ぎ

進んで行くしかない。

 

ならば

自己満足

大いに結構なんじゃなかろうか。

 

自分にしかつくれない

自分の物語を

自分が楽しめなくてどうする。

 

これは

自分への叱咤激励。

 

最後のページに

河合さんのプロフィールが載っていた。

 

奇しくも明日は

11年前に河合さんが亡くなられた日だった。

 

このタイミングか。

 

大丈夫だよと

優しく語りかけてくれるような

河合さんの笑顔の写真。

 

なんだか

世界はつながっているな

と思えた。