たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

月曜日と雨

 

月曜日と雨の日は、学校に行かなかった。

高校の頃の話。

 

女子校だから当たり前だけど

入学式の日

あまりの女子の多さに気持ち悪くなって

なんだかなぁ

という気持ちになった。

 

心も身体も酸欠状態。

初日から、トホホな気分。

 

しかし!

1年生の早い段階で

年の1/3は休んでも進級できる

という情報を入手。

素晴らしいじゃないか。

 

月曜日はなんとなく憂鬱を連れて来るし

天パに雨の湿気は天敵だし

クラスメイトとの会話は見つからないし。

 

だから

きっちり休んだ。

 

そして

それまで生きてきた

ほんの十数年間の私の世界。

その拙く頼りない知識をフル稼働し

長い長い長い時間をかけて

哲学してたんだ。

 

今思えば

なんと贅沢な時間だろう。

 

薄暗くひんやりした図書館の匂い。

誰もいない屋上で見上げた空の色と見下ろす教室の窓。

夏休みの美術室の練り消しと木炭と白い胸像に別冊太陽。

人が疎らな夕方のサテスタのベンチ。

制服で行く喫茶店のミントチョコレート。

 

ひとりで過ごす大切な時間。

 

あの頃の痛みは

たからものだと思う。