たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

息吹

 

昨年の夏に枯れたはずだった植物たちが

私の小さなベランダで

仕事机の周りで

春の光を浴び

命が息づいている。

 

ワイルドストロベリーにいくつもの白い花が咲き実がなり

デイジーが茎を伸ばしてたくさんの黄色い花を咲かせようとしている。

 

うちに来てから

実が黄色く色づく以外まったく変化のなかった小さなレモンの木も

ザクザクと切られてしまっていた枝の先に

ようやく

新芽や蕾をいくつもつけ

生きてる証を見せてくれている。

 

鉢の植え替えで

長く伸びた新しい茎を折ってしまい

新しい芽が出て来るかを心配していたストレリチア

その折れた茎の横から

ひょっこり

新しい顔を出してくれた。

 

アイビーたちも

ごきげんに長く長くツルを伸ばす。

 

葉水のシャワーで虹が架かる。

水の粒が光を受けてキラキラと光る。

 

植物たちの命の力を感じるたびに

心がふるえる。

 

私も

植物たちのようにありたいと

空を見上げて深呼吸する。