たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

リフレイン

 

クリスマスが近づくと

いつも思い出す光景がある。

 

幼稚園の頃。

 

目覚めた白い朝。

 

いつもは

となりに敷かれたままのはずの

おじいちゃんとおばあちゃんの布団が

きれいに片付けられてあり

視線の先には

すでに寝間着を着替え

なんとなくニヤニヤソワソワしながら

息をひそめ

こたつでお茶をすすっているふたりがいる。

 

テレビもつけぬまま。

 

なんだかいつもと様子が違うぞ。

 

ふと気づくと

枕元には

お菓子がいっぱい詰まった

赤いブーツがひとつ。

 

興奮して飛び起きる私。

 

笑顔の

おじいちゃんとおばあちゃん。

 

サイレント映画のように

何度でも

何度でも

鮮明に蘇る。

 

幸せな時間をありがとう。

 

それが一番のプレゼントだよ。

 

会えなくなっても想っているよ。