たとえば胸騒ぎ

私を構成するいくつかの、あの時と今とこれからと。あるいはそのカケラ。

夜にとける時


新幹線の左側の窓の向こうの山と山の切れ間に
低く
雲の隙間の青空が見える。

この薄い水色は
昔好きだった色だな
なんだか懐かしいな
なんだったっけな
なんて思いながら
トンネルをひとつ抜けると
もう違う空の色になっていた。

どこかの外国の
いつもはきれいな海が
植物性プランクトンの大量発生で
白い泡を吐く。

さっきまで明るかったのに
灯りだした街。

物理的に移動する私と
過ぎて行く時間の関係。

一秒たりとも止まることはない。

変わらないものなど
何もない。